【2】偶然の奇跡

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どうやら尚人には見えてないらしい。 「あのさ。能力溢れ出てるだろ?ほら、桐生を包むようにして渦巻いているやつ。」 俺の言葉に尚人は驚いた顔をして俺を見る。 これすらも尚人には見えていない? 「それ俺にはわからないよ。・・・なるほどね。それで?」 わからないということは尚人にはない能力ということになる。 尚人になくて、俺にある能力か。 情報の中に能力に関するものがないため、能力は自力で知っていけということだろう。 桐生の状態を観察し、尚人に説明する。 「溢れる能力に欠けてる所がいくつかある。たぶんこれがあの男が言ってたこと。このままパートナー作ったら確かに危ないね。」 「なるほどね。とりあえずは落ち着くの待ってからだね。説明してくれる人もいないみたいだし。俺らが話すしかないか。」 それは俺も思っていたことだ。 他の遺能者の状態がわかるのは、俺の特殊能力のひとつなのかもしれない。 殆どの遺能者には特殊能力なんてものは存在しないといっていいほど特殊能力は持つ遺能者は少ない。 この能力については、他言してはいけないということになる。 尚人とお菓子を食べながら片手に飲み物を持ち、桐生が落ち着くのを待つ。 「尚人、覚醒にどのくらいの時間かかった?」 「5時間くらいかな?」
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