【2】偶然の奇跡

6/25
前へ
/429ページ
次へ
説明に関しては、俺より尚人のほうが出来るだろうと思い、任せることにした。 「桐生と話したいと思って来てみたら、お母さん?が出てきて、桐生がまだ寝ていて、自分は仕事に行かなきゃならないから、後よろしくって言われて。それで今ここにいるんだよ。」 「俺と話しか。今、頭混乱してて、さっきまで動けなくて少しだけ待っててくれないか?」 まぁ、これに関しては待つしかないだろうな。 俺もそれなりに時間がかかった。 俺の場合が特殊なのかもしれないが・・・。 「混乱してるのはわかるからいくらでも待つよ。一気に知ることが多すぎてわけわからなくなるからね。」 「これ何が起きたのか知ってるのか?」 「知ってるよ。俺たちは経験済みだから。」 桐生はまた黙ってしまった。 混乱する中に会話も続けるのは大変なことだとわかるだけに、話しかけられない。 ただ、桐生が落ち着くのを待つだけだった。 桐生が動きだしてから1時間たったころ、落ち着いてきたらしい桐生が口を開く。 「なぁ、俺いったいどうなったんだ?」 「桐生は遺能者ということになるね。けど、桐生のお母さんは一般人だと思うから聞いても何も知らないと思う。一般人には自分が遺能者だと言わないのが一番だよ。」
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加