【2】偶然の奇跡

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「一般的に公開されているのは、遺能者が存在していること。そして、遺能者がパートナーを作ること。パートナーと生涯共に生きるということ。パートナーは男性のみ。これは、情報として覚醒したときにわかることの一部だね。これ以外は一般的に知られていないと思っていいよ。」 「俺の場合しゃべらないほうがいいだろうな。全部言ってしまいそうだから。」 何も言わないのが一番だろう。 遺能者をヒーロー扱いしたりして憧れや尊敬する者ばかりじゃない。 自分にない力を持っていたりすることもあり、暴走状態を見ることで、警戒したり、恐怖を抱く者もいる。 暴走するのは不完全な遺能者に限るらしいが。 「今から言うことは情報として知らないことになる。遺能者は遺伝によって生まれるって言ったけど、殆どは母親からの遺伝なんだ。理由はわかるよね?男である俺たちは覚醒すると同性である男しか性的対象にならない。覚醒が思春期に起こるために父親からの遺伝というのは稀なんだ。」 「俺は父親からの遺伝なんだろ?」 桐生の場合、間違いなく父親からの遺伝だろう。 尚人は母親、そして俺は表向き母親となるが、本来両親となる。 「覚醒前は男の能力者は女性を性的対象にしているからね。桐生もそのあたりはわかるんじゃないかな?」
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