【2】偶然の奇跡

11/25
前へ
/429ページ
次へ
俺たちは不完全である遺能者の完全な状態にする方法を探すことにした。 「俺のことは知ってる?赤坂尚人、尚人でいいよ。」 「俺は葛城瑞樹、瑞樹でいい。」 「俺のことは知ってるだろうけど、桐生圭。圭でいい。」 俺たちは連絡先を交換し、これからも何かわかり次第連絡しあうことにした。 桐生が落ち着いてきたこともありまだ話したいこともあって、お昼を食べながら時間がある限り話そうと決め、いつもお昼は買って食べるという桐生と外に買いにいく。 「外出て大丈夫か?」 「もう落ち着いたし、大丈夫だと思う。」 俺と尚人はため息をついた。 能力に関しても情報としてあるはずなんだけど、自分の時のことを思い出しまだそこまで整理できてないかと思う。 「人にぶつからないようにね。触れてしまってもいつものようにしていなよ。」 「ん?なんかあんの?」 俺は不思議に思い、圭の肩に手を乗せて、話しかけたいことを思った。 “能力のひとつに相手に触れると心が読めるってのがあってね。” 「そんなのあんの?」 “まじか!?心を読む・・・え?まさか俺の声も聞こえてんの?” “聞こえてるね。” 突然言葉にした圭を見て、尚人がため息をつきながら俺たちに言ってきた。 「そんなのって、2人で何話してんの?」 俺は圭の肩から手を離した。
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加