【2】偶然の奇跡

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「ちょっと心配になって試してみたんだよ。こういうのがあるよと。」 「実演で教えてもらったのならわかった?」 尚人が聞いても圭はひとりブツブツ呟きながら、自分の世界に入ってしまっている。 「圭?聞いてる?」 「あっ!ごめん。ぶつからないようにってこういうことだったんだってやっとわかったよ。慣れるまで何かやらかしそうだ。」 お昼をなんとか買い終えて、圭の住むアパートに戻る。 慣れるまではいろいろと大変だけど、圭の場合家族に頼れる人がいないため、自分だけでどうにかしなくてはならない。 お昼を食べながら気になることを聞いた。 「圭って彼女いるの?」 「今はいない。少し前まではいたけど、別れた。」 やっぱり噂は本当だったかと思った。 だから何ってわけでもないんだけど、妊娠さえさせてなければ。 食べ終えて、飲み物を口にする。 「ところで調べるって何からどう調べていく?」 「そこなんだよなぁ。2人は何かやってみたいことある?」 2人は考えているけれど、俺は何も思いつかない。 思いつくことがあれば、既に行動に移しているだろう。 「試したいことってなんでもいいのか?」
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