【1】遺能者

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情報整理に3日かかり、その間に母さんと妹の梨央を相手に読心の能力を何度も使い慣らした。 練習といっても声に出さない会話をしているようなもので、使ううちに通常会話との違いがわかるようにはなったと思う。 他の能力に関しては試せてはいないけれど、運動能力と頭脳は人並み外れたものになっているようで、どうにか制御しなければならないだろう。 俺に制御できるのか・・・? というか俺は学校いく必要あんのか? バレるなっていうんだから行ったほうがいいんだろうけど。 金曜の午後、俺は体調がある程度回復したから来てもいいという内容のメールを雪也に送った。 放課後の時間になり、今からいくとメールの返信があった俺は雪也で少し試してみようと思う。 他の人で試せることと雪也が何を考えているのかと思うと楽しみになってくる。 学校では病人扱いになっているはずの俺はテンションが上がっていっていて、とても病人には見えないだろう。 俺は母に雪也が来ることを言うと、慣れてきた頃が危ないからバレないように気をつけなさいとだけ言われた。 調子に乗って心の声に返事や反応をしてしまわないようにしないといけない。 完全にコントロールするにはまだ時間がかかりそうだと思う。 気をつけないとなんていろいろと考えていたら玄関のチャイムが鳴った。
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