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「えっ・・・。そんな・・・阻止する・・・方法は・・・?」
悲しそうな表情をして聞いてくる雪也を俺は抱きしめた。
「あるよ。肉体が朽ち始めるまでに12時間。その前にIタイプにしたらいい。今回は気付いたのが早かったからよかった。気付くのがもっと後だったら手遅れになってたよ。」
「そっか・・・。英志助かるんだね。」
雪也は優しい。
自分より他人の心配をする。
“英志は夢が叶うんだね。よかった。”
俺は雪也の願いを叶えるから。
だからその前に確認だけさせてもらおう。
俺は上半身を起こし雪也を見た。
「雪也、俺と一生を共に生きる覚悟はあるか?」
雪也の目から涙が流れた。
“うれしい。俺は瑞樹がいれば他になにもいらないよ。”
ゾクリとした。
お前な・・・またそういうことを・・・。
いつだって雪也はまっすぐに俺に気持ちをぶつけてきた。
声には出さないけれど、心の声はまっすぐに伝えてくる。
身体が触れ合っているために心の声は聞こえてしまう。
けれど、声に出して聞くべきだから、俺は返事を待つ。
「ある・・・あるよ。俺、瑞樹と一緒が・・・いい。」
「わかった。今からお前を俺のパートナーにする。時間が掛かるけど準備はいい?」
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