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優吾は目覚ましのけたたましい音で目を覚ました。
布団の中で手足を伸ばし、勢いよく布団を捲りそのまま立ち上がり、もう一度反り返るように腕を上方に伸ばす。
カーテンを開けると、春の気持ちの良い日の光が部屋の中に差し込んできた。
顔を洗い、歯を磨き、母ちゃんの作ってくれた朝ごはんを食べ、通勤用の服に着替え家を出る。
通勤に使っている軽のバンに乗り込み、暫く会社に向けて走ったあと、道の脇に車を止め空を見上げた。
「ああ――良い天気だな――。
こんな良い天気の日に、仕事なんてやっていられないよ。
サボるかな――?
でも、理由何にしよう?
婆ちゃんには悪いけど殺しちまうか?」
優吾は独り言を呟いたあと、少し考え込み、スマホを取り出し会社に電話をかける。
呼び出し音が鳴り、電話の受話器が取られる音がして、事務員の奈良さんの声が聞こえてくる。
「お待たせいたしました。
山口配送センターです」
「あ、原です。
おはようございます。
昨晩、同居していた婆ちゃんが亡くなったので休ませてください」
「え、それは大変。
社長には伝えておくから」
「はい、宜しくお願いします」
「(さて、どうしょう?
サボったのは良いけど、ここら辺で彷徨いていると、配送中の同僚に見つかる恐れがあるな。
そうだ!
久しぶりに隣の県の友人の所に顔出すか)」
友人は久しぶりに訪ねてきた優吾を歓待してくれ、その事もあって友人宅に泊まり、翌朝早く友人宅を出る。
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