浜辺に立ちて、波に濡れる

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 思念の海をたゆたい、ただあなただけを想う。  情欲の波、思慕の泡。  あなたさえいれば、私はなにも怖くない。  神だって恐れることはない。  理さえも超越してみせる。  死すらも甘受しよう。  それがあなたへと繋がるのなら。  私はあなたに逢う為に、この不条理な世に生まれた。  ならば、あなたに再び逢う為に、次にすることは決まっている。  ただただ、あなただけを求めて、この不毛の海に沈めばいい。  私の、ただひとりのひと。  あなただけを、ひたすらもとめる。
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