35人が本棚に入れています
本棚に追加
──8月7日。
今日は翔真の誕生日。
直前の土曜日、うちに翔真と吉田先生を呼んで盛大にお祝いしたし、日曜日には2人きりで甘い時間を過ごした。
平日だし大した事はできないけど、翔真がどうしても私と2人きりの時間を過ごしたいって……。
私だって勿論そう思っていたから、2人ともノーザン申請で定時になったら退社の予定。
今日はそう急ぎの仕事もなく、外勤も入ってなかったから問題なく定時で上がれるはず。
…………そう信じていた。
定時まであと30分。
明日の準備をしながら、翔真にメールしてみようかなって思っていた私の元に突然の来訪者が。
「蘭さん、お久し振り。元気で頑張っているようだね」
その人物は、私の過去の苦い記憶を伴って現れた。
「木原課長!?………ご無沙汰しています。どうして、ココに?」
あまりにも予想外の出来事に、ただただ驚くしかなかった。
「驚かせてしまったようだね。一時帰国中なんだよ。さっきまで専務に呼ばれていたんだ」
最初のコメントを投稿しよう!