35人が本棚に入れています
本棚に追加
宮本課長から佐伯主任に手渡された鍵。
「お前まだ帰り支度してないだろ?もう今日は誰もいないから念のため鍵かけてきたんだ。その鍵はお前のデスクから持ち出した。だから最後は施錠を忘れずにな。今日はお前の誕生日だろ?大事なモノを忘れて帰るんじゃねえぞ、翔」
そうよ、今日は翔真の誕生日なのに。
ノーザンで2人きりでゆっくりお祝いしたかったのに……。
「了解です。施錠して帰りますから。宮本課長、いろいろと手を焼かせてすみません。今日はこれで失礼します。お疲れさまでした」
「ああ、お疲れ。蘭さんも大変だったな。翔のやつ今日は大活躍したから労ってやってくれ。いい返事を聞かせてやれよ?」
そりゃ勿論、そうしたいんだけど……?
「は、はい。お疲れさまでした」
翔真がちょっと狼狽えた様子で視線を投げたけど、それをさらっと交わして立ち去って行ったイチにぃ。
『いい返事を』って?
「さ、一緒に来て。さっさと支度するから早く帰ろう」
翔真に手を引かれて、教事1課へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!