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興味のない俺とは正反対に、ジッと様子を見つめるそいつに合わせ、仕方なく俺も足を止めた。
その場で見た一連の出来事に、逐一<ちくいち>反応するそいつに俺は面白くなくなり眉をひそめる。
その瞳が、俺以外のものに向けられている事が気に食わなかったのだ。
門の方からこちらへ向かってくる人物に声を掛けられる前に、俺はそいつを引っ張ってその場を離れた。
何故か、その人物とこいつを会わせたく無いと思った。
よろめきながらもついてくる腕をしっかりと握り、俺はその存在を確めた。
今思えばこの時、俺は新たな恋敵の登場をどこかで気付いていたのかもしれない――
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