【前世】呪いの始まり

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「……雅?」 ヤツの瞳が、驚愕の色を示していた。 俺の名前を呼ぶ、 その声にすら強い吐き気をもよおす。 憎しみが塊となって胸の内で増大していく。 もう限界であった。 俺の人生は俺のものではなく、 言いなりでしかなかった。 「呪いをかけるとともに俺は……死ぬ」 だが、これで終わるのだ。 やっと…… 「お前が死ねば、俺も後を追う。       何度でも、お前を見つける」 きっとそうだろう。 今までも、こいつから逃れられたことはなく いつも捕まってしまっていたのだから。 「ムダなことはやめろ。何が欲しいんだ?お前が望めば何でも用意する。俺はお前と一緒にいたいだけなんだ」 そのお前の望みで、一体どれ程の人が犠牲になったか知らないわけではないだろうに 苦い感情が甦る。 「俺の望みは……お前との永遠の別れだ」 でも、それは叶わない。 だから、「死」以上の お前にとって耐え難い苦しみを…… 永遠に、呪おう
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