68人が本棚に入れています
本棚に追加
「……雅?」
ヤツの瞳が、驚愕の色を示していた。
俺の名前を呼ぶ、
その声にすら強い吐き気をもよおす。
憎しみが塊となって胸の内で増大していく。
もう限界であった。
俺の人生は俺のものではなく、
言いなりでしかなかった。
「呪いをかけるとともに俺は……死ぬ」
だが、これで終わるのだ。
やっと……
「お前が死ねば、俺も後を追う。
何度でも、お前を見つける」
きっとそうだろう。
今までも、こいつから逃れられたことはなく
いつも捕まってしまっていたのだから。
「ムダなことはやめろ。何が欲しいんだ?お前が望めば何でも用意する。俺はお前と一緒にいたいだけなんだ」
そのお前の望みで、一体どれ程の人が犠牲になったか知らないわけではないだろうに
苦い感情が甦る。
「俺の望みは……お前との永遠の別れだ」
でも、それは叶わない。
だから、「死」以上の
お前にとって耐え難い苦しみを……
永遠に、呪おう
最初のコメントを投稿しよう!