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「俺の力に敵うと思っているのか?その程度の呪いなど効力を無くすことぐらい造作もない」
「…………」
「なあ雅 機嫌を直せ」
いつもの余裕の笑みを浮かべながら、
ヤツが一歩を踏み出した
「近付くなっ」
「何が出来るというのだ?俺を本気で怒らせる前にこっちへ来い」
俺の呪術は、力も弱く効力もそれほどないだろう。
ヤツの力の前には無に等しい。
……だが、それは他人にかける場合だ。
「俺は自分自身に呪いをかける」
「何を……」
己への呪いは、どれだけ強い呪術師だろうが
消すことは出来ない。
「俺が何回生まれ変わろうとも、お前が俺の前に現れるのなら」
「やめろっ雅」
「生命と引き換えに、来世の俺に呪いを」
俺と同じ過ちをおかさないために……
「さようなら」
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