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「……あれ、ここは」
「あ、目覚ましたな。大丈夫か?うなされてたみたいだけど」
「……はい」
また変な夢を見ていたみたいだ。
目の前には、生徒指導の吉井先生
スポーツをやっていたらしく筋肉むきむき
「ゴリラ」というあだ名で生徒に人気だ
ん?でも……
「なんで先生が……?」
「倒れたんだよお前。で、赤瀬が保健室まで抱えてきたの」
保健室……
気が付かなかったが、
状況を整理しようと辺りを見回すと
白いシーツのかかったベッドが三つ並び
その一つに俺は寝ていたようだ。
保健室特有の消毒液の匂いが嗅覚を占める。
「俺は手当てとか分からないけど、保険医の水口が赤瀬にビビって俺を呼んだってわけ」
なるほど。
生徒指導の吉井は赤瀬を怖がらない
数少ない先生の一人だからな。
でも……
「あの人は……?」
「赤瀬か。あいつなら邪魔だから追い出した」
わははは、と豪快に笑う吉井先生。
あの赤瀬にこんなこと出来るのはこの先生ぐらいだろう……
赤瀬がいないと分かり、力が抜けていく
良かった。
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