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「そういやお前、名前は?何年何組だ?」
「一年一組の塩崎です」
「担任に伝えとくな」
「あ、お願いします」
時計を見ると15時を回っていた。
廊下に出されたのは三限だったから
四時間も寝てたのか。
ふう、とため息を一つ吐く。
吉井が、じっとこちらを見ていたことに気付いた
「……お前赤瀬とどういう関係なんだ?」
「へ?」
「赤瀬といて、倒れた生徒がいるって聞いたから喧嘩でも吹っ掛けられたかと思って来てみれば、違うみたいだし」
不思議そうな顔をしたゴリラが一頭。
「あの赤瀬が、あんなに他人のこと心配してるのを初めて見たよ。そのわりに名前も学年も知らねぇって言うし」
「俺は……」
何も分からない。
頭の中が整理したいことでいっぱいで……
ただ、赤瀬と対峙した時に溢れてきた気持ちは
コワイ
オソロシイ
ニクシミ
ユルセナイ
ハナレタイ
負の感情しかなかった。
今の俺に言えるのは……
「あの人とは何の関係もありません」
もう二度と会いたくない、という気持ちだった。
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