4.火花散る

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「要、すんごい気に入られてんのな」 雅春と和人が、びっくりしたような顔で、俺を見る。 「え、あ、う、うん?」 どうしよう。 柊翔が、変な目で見られちゃう? そんな思いが頭をよぎった瞬間。 「ふふん。……俺、要のこと愛してるから」 そうやって、ニヤリと笑う。 え、え、ええぇぇぇぇぇっ! 俺は顔が真っ赤になってしまって、なんとか柊翔の腕から逃れようとしてるのに、全然、逃がしてくれない。 思わず、近くにいる太山さんに助けを求めようとしたのに、その太山さんですら、ニヤニヤしてみてるだけだし。 そんな笑ってる場合じゃないでしょうっ? 「「すげぇぇぇぇっ!」」 ……えっ? 目の前の二人が、顔を真っ赤にしながら、興奮してる。
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