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そして同時に、こいつらが俺のこと、気にかけてくれてたということに、今さら気づいてしまった。
柊翔を見つめる二人を見ていたら、なぜだか、涙がこぼれてきた。
「お、おいっ、要、大丈夫かよ?」
「え、どうした?」
オロオロしだいした二人を見たら、なんだか笑えてきた。
「ア、アハハ、ごめん、大丈夫。大丈夫だから」
柊翔の腕から離されないまま、俺は甚平の裾で涙をぬぐった。
「いい友達だな」
また、耳元で囁くけど、嬉しくて、素直に"はい"と答えた。
「で、マジで何したんすか」
目が怖いよ。雅春……。
「だから言ってるじゃん。愛してるって。だから愛、だよ、愛♪」
と、楽しそうに言う柊翔に、二人は"愛か……"と、腕を組みながら俺たちを見ている。
「おいっ、お前ら、へ、変なコト考えんなよっ」
つい、柊翔のことを思うと、そういう言葉が出てきてしまう。
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