4.火花散る

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「変なことって……」 ポツリと言う柊翔。 寂しそうな顔で見ないでください……。 俺が少しだけ、落ち込みそうになったとき。 「あったりまえだろ~。お前、俺を誰だと思ってんだよ」 雅春は渋い顔をすると、和人は"しょせん、雅春だから"と呆れ顔。 うん。 いいんだ。これで。柊翔が変に思われなければ。 「あ、でも、これ澤登先輩に見せたら、諦めてくれるんじゃないっすか?」 そう言いだしたのは和人で。 「は?」 思わず、"こいつ、何言っちゃってんの?"と思ってしまった。 「ほら。付き合ってる人は、実は男でしたー、みたいな?それじゃ、相手にしてもらえないね、的な?」 ……だから。 そういう目で柊翔が見られるのが嫌だから、こっちは必死になってるっていうのに。 イラッとして、文句を言おうとしたら。 「諦めてくれるかな……」 雅春が寂しそうに言った。
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