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「俺はかまわないよ?」
……は?
ニコニコしながら、雅春たちに言う柊翔は、なぜだか嬉しそうで。
俺が、こんなに心配してるのに、なんで、そこでそういうこと言うかな。
三人が楽しそうに、作戦を練っているところ、俺だけ一人、呆然と見ていた。
「……大丈夫だって」
太山さんが、俺の肩に手を置いた。
「た、太山さん……でも」
「お前の友達だって、信じてないんだ。彼女も信じないだろ。そうやって、断ろうとしてるって思うんじゃないか?」
「……そうでしょうか。」
俺は、そんな簡単な話じゃないと思うけど。
「それに、柊翔も覚悟決めてんじゃないの?」
「覚悟って……」
「いつかカミングアウトするときが来るかもしれないじゃん」
ドキッとした。
俺は。
俺は、そんなこと考えたこともなかったから。
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