4.火花散る

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「あっ!こ、鴻上くんっ」 額や襟足に汗をにじませた澤登さんは、小さなタオル地のハンカチでぬぐいながら、近寄って来た。 その姿に色気を感じたのは、俺だけではなく、雅春なんかは目がハートにすらなっている。 「ああ、こんばんわ」 ニッコリ笑いながら、俺のことを抱き寄せる柊翔。 でも、澤登さんは、そんなことには目もくれず、柊翔しか目に入ってないみたい。 「鴻上くん、は、話があるんだけど」 白い肌のせいか、頬がピンク色に染まっているのが目立つ。 ―――カワイイな。 そう思ったら、身体に力が入ってしまう。 たぶん、これは嫉妬。 どうしようもない、嫉妬。 「なに?」 俺が、嫉妬してるなんて思ってもいない柊翔は、楽しそうに澤登さんに返事をする。
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