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「あっ!こ、鴻上くんっ」
額や襟足に汗をにじませた澤登さんは、小さなタオル地のハンカチでぬぐいながら、近寄って来た。
その姿に色気を感じたのは、俺だけではなく、雅春なんかは目がハートにすらなっている。
「ああ、こんばんわ」
ニッコリ笑いながら、俺のことを抱き寄せる柊翔。
でも、澤登さんは、そんなことには目もくれず、柊翔しか目に入ってないみたい。
「鴻上くん、は、話があるんだけど」
白い肌のせいか、頬がピンク色に染まっているのが目立つ。
―――カワイイな。
そう思ったら、身体に力が入ってしまう。
たぶん、これは嫉妬。
どうしようもない、嫉妬。
「なに?」
俺が、嫉妬してるなんて思ってもいない柊翔は、楽しそうに澤登さんに返事をする。
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