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「あ、えと、ふ、二人で話せない?」
恥ずかしそうに、話している澤登さんを、切なそうに見ている雅春を見ると、胸が痛くなる。
「ん~、どういう話?俺、今、デート中なんだけど」
そう言いながら、ニッコリ笑う。
"えっ?"という顔をしたかと思ったら、周りをキョロキョロ見回しだす。
「デートって……彼女いないって言ってたじゃない……?」
"それらしい人、いないじゃない……"とブツブツ言いながら、もう一度柊翔のほうを見つめる。
「彼女はいないけど。彼氏ならいるよ?」
そう言ったかと思ったら、肩を組んでいた俺をギュッと抱きしめた。
"お、おいっ!?"
こんな人の通りの多いところで、はっきりと言うなんて!?
もう少し、周りを意識してくださいよ!?
一人でアワアワしてると、目の前にいた澤登さんは、クスッと笑った。
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