2.旅に出よう

2/45
1037人が本棚に入れています
本棚に追加
/193ページ
"二人で旅行に行く" そういう話だった気がしたんだけれど。 俺たちと朝倉先輩の三人は今、学校の近くのファミレスに来ている。 終業式の後、旅行の打ち合わせをするのに、俺の家に行くんだと思ってたら、校門のところで待っていたのは、柊翔と朝倉先輩だった。 「こ、こんにちは。」 朝倉先輩とは、学校の廊下で会えば挨拶をする程度で、そんなに話をしたことはない。でも、柊翔とは仲がいいみたいで、いつも一緒にいる姿を見かける。 それを見るたびに、少しだけズキッとするのは、俺がヤキモチをやいているせい。それは自覚してるから、できるだけ、気づかれないようにしなくちゃ・・・。 「おう。じゃあ、行くか。」 「・・・マジでお前も来るのかよ。」 うんざりした顔をしている柊翔に構わず、肩に手を回して、コソコソと話してる。 ・・・俺の目の前で、そういうのやめて欲しいな・・・。 "フゥ" 思わずため息が出てしまう。 そんな俺を朝倉先輩が目の端にとらえていたとは、気づきもしなかった。
/193ページ

最初のコメントを投稿しよう!