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笑って誤魔化してる柊翔を、廊下に引っ張り出すと、背中を押して昇降口に向かう。
「ほんと、モテモテですよね。鴻上さんは。」
飽きれ気味に言ってるつもりなのに、
「なんだよ、ヤキモチ?」
なんて、嬉しそうに言ってくる。
・・・ヤキモチのつもりはないけれど、そういう風に言われると、意識してしまって、顔が赤くなってる気がする。
「な、何言ってるんですか。」
靴を履きかけている柊翔を残して、俺は先に校舎から出た。
「待てよっ」
追いかけてきた柊翔は、俺の後ろから肩を組んでくる。
「ち、近いよっ。」
顔が近すぎるから、小声で言うのに、面白そうな顔をして俺の顔を見て言うのは。
「こういうスキンシップだったら、誰も何とも思わないだろ。」
それ、耳元で言ったら、怪しすぎると思うんだけど。
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