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柊翔は、あの最後の事件の後から、やたらとスキンシップが増えた。
俺も、柊翔に対しては、前のように恐怖も感じないし、嫌じゃなくなった。
しかし。
あからさまに、誰が見てても触れてくるのには、ちょっと困っていたりする。
さすがに、手を握ったりまではしないけど。
下手にベタベタしすぎて、柊翔に変な噂がついてまわらないか、心配しているのだけれど、そんな心配など気にしないかのようで。
俺が一人でヤキモキしているみたいだ。
「要、この夏、一緒にどこかに旅行にでも行くか?」
肩を組んだまま、楽しそうに俺に言ってくる。
「もう、暑いんですけど。」
そうだ。もうすぐ夏休みなんだ。
それなのに、この人は、ベタベタと。
「そんな爽やかな笑顔されても、暑いものは暑いんですっ。」
無理やり、腕をひっぺがした。
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