3.再会

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旅館での仕事は、時間に追われるおかげで、あっという間に昼を過ぎて、俺たちのバイトの時間は終わった。 その間、俺も柊翔も、まともに話をする暇もなかった。 「お疲れ様~。」 女将さんが、にこやかに声をかけてくれた。 「いやー、旅館のお仕事が、こんなに大変だなんて、思いもしませんでした」 そう言いながら、楽しそうな顔をしている柊翔。 「でも、俺、すごく楽しかったです」 俺がそういうと、女将さんは、すごく嬉しそうに笑ってくれた。 「それじゃ、午後からはお客さんとして泊まって行ってね」 そう言って部屋の鍵を渡すと、次の仕事のためにさっさと事務所のほうに戻って行った。 「俺、来年も来たいかも」 思わずつぶやくと、 「何、バイトで?お客として?」 「バイト。今回は一日しかやらなかったし、本当に、力になれたのかわかんないけど。次来るなら、もっと長く仕事してみたいなって」 「そっか・・・来年だったら、もっと、要と遊ぶ時間できると思ったのにな」 ちょっとだけ拗ねたような顔の柊翔に、 「そのためには、大学受からないと、じゃないですか」 トンッ、と、柊翔の背中を軽く叩いた。
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