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女将さんの家から自分たちの荷物を引き上げると、今日泊まるはずの部屋に運びこんだ。
「うわ。部屋からの景色って、こんなに綺麗だったんですね」
障子を開けると、目の前には庭の木々越しに青い海が広がっている。
「お~。さっさと着替えて海に行くか」
後ろから現れた柊翔の声が、耳の近くで聞こえた。
あまりにも近くて、ドキっとして振り向くと、目の前に柊翔の顔。
"ん?"なんて顔をして、俺の顔を覗き込んでくるから、胸がドキドキしてきてしまう。
「そ、そうですね。時間がもったいないですもん」
わたわたと、バックの中から水着を取り出して、俺はズボンのベルトをはずそうとした。
「か、要っ、そこで着替えるのかっ!?」
「……え?」
他にどこで?と思って振り返ったら、柊翔が見事に真っ赤な顔で俺を見ている。
「……」
赤い顔っていうのは、移るものなのだろう。
自分も真っ赤になってきているのを自覚してしまうと、もうどうしようもない。
「……風呂場で着替えます」
もうっ!柊翔が変に意識するから、俺まで照れくさくなるじゃないかっ!
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