3.再会

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旅館から海まで歩くと15分くらい。海の匂いが段々と強くなってくる。 「潮風が気持ちいいな」 「はい」 俺たちの脇を子供たちが駆け抜けていく。 「おお~、元気いいなぁ」 「なに、おっさんくさいこと言ってるんですか」 「なんだと」 「だって、そんなセリフ、おっさんみたいじゃないですか」 「こらっ!」 俺たちも、子供たちの後を追うように走りだした。 こんなに思い切り走るのなんて、体育の授業以外にしなくなった。 笑いながらだから、もう、息があがってくる。 チビの頃は、もっともっと走れたのに。 「つかまえた!」 柊翔に首をホールドされる。 体温が熱い。 そして、大好きな柊翔の匂いがする。 「逃げられないぞっ」 グッと顔を近づけて言う柊翔の優しい瞳に、釘付けになった。 ―――その時。 「あ、あれ~?」 聞き覚えのある声が……した。
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