彼女の日記

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○月×日(土曜日) さようなら、先生。 最高の景色と思い出をありがとう。 先生が辛い時に見てきた景色。 私も先生とその景色を見ている瞬間は、現実から目を背けることが出来た気がしたよ。 キスしてゴメンね。もうすぐ私死んじゃうのに。 あぁ、ままならないなぁ。これから先生の彼女になる人がうらやましい。 先生は真面目だし、やさしいし、顔も悪くないし、服のセンスは少し悪いけれど、 きっとステキな家庭を築いていくんだろうなぁ。 なんて。 私には贅沢すぎる夢。 好きな人とデートできて、キスまで出来たんだもん。 思い残すことのないほどステキな体験を本当にありがとう、先生。 このすっごく楽しかった6日間の思い出があるからこそ、この先の闘病ができそうだから。 生きていれば、いいことがきっとあるんだって思えたから。 さすがにこの6日間以上のことは望めないけど、1日1日の巡り合わせを大切にして私は生きていきます。
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