僕が受け持った生徒の話

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僕が大学2回生のとき、アルバイトの家庭教師で受け持っていた中学1年生の女の子がいた。 頭もよく、活発で、年相応の笑顔が可愛らしい。 そして周りに気を遣いすぎるくらいに優しい。 そんな印象の女の子だった。 家庭教師最後の日。 「私はこれから高校生になって、恋愛も部活も友達も。 やりたかったコト全部やるんだから。 先生も“学生のままでいたい”って口癖のように言っていたけど、 社会に入っても頑張って下さい」 彼女は明るく決意のこもった口調でそう言った。 その時の彼女はキラキラと眩しくて、“これが若さか”なんて思っていた。 明るくて、頭の回転も速く、可愛らしい彼女のことだからきっと充実した高校生活を送り、楽しい日々が待っているのだろう。 その時の僕はそんなことを思っていた。
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