序章

5/7
前へ
/7ページ
次へ
「何時・・・?」 寝起きの乾いた私の声に特に反応することなく、綾都はちらりと視線を逸らす。 「6時半過ぎ」 「んー・・・」 いつも通りの時間にちょっと安心して、むくりとようやく体を起こす。 朝独特の気だるさを全身で感じながら、まだ覚醒しきらないその頭をまわしつつ、あくびを一つ。 「もう寝るなよ」 「・・・ふぁい」 私の行動など簡単に読み通しな彼は釘を刺して、腰かけていたベッドから立ち上がる。 ちらりと合わさったその目は「先に行ってる」と物語るのがわかって、うんとうなずいた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加