2人が本棚に入れています
本棚に追加
『えーっ、何か質問はある?』
歴史担当の今西京子が言った。
午後の最後の授業である。
『はい!』
リサが手を上げた。
『どうぞ』
『世界は、何故ひとつの国にならないのですか?』
『そうですね…』
『言葉も同じなのに、国境とか…おかしくないですか?』
『それはその通りですが、200年経った今でも、旧態然とした考えがある事も確かなのです…ですから、今でも、髪や肌や眼の色が違うだけで相容れない人達がいるからですかね』
『よく分かりません』
リサは、納得いかなそうに机に伏した。
『では、今日の授業はここまでです』
今西京子が言った。
最初のコメントを投稿しよう!