変貌

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『えーっ、何か質問はある?』 歴史担当の今西京子が言った。 午後の最後の授業である。 『はい!』 リサが手を上げた。 『どうぞ』 『世界は、何故ひとつの国にならないのですか?』 『そうですね…』 『言葉も同じなのに、国境とか…おかしくないですか?』 『それはその通りですが、200年経った今でも、旧態然とした考えがある事も確かなのです…ですから、今でも、髪や肌や眼の色が違うだけで相容れない人達がいるからですかね』 『よく分かりません』 リサは、納得いかなそうに机に伏した。 『では、今日の授業はここまでです』 今西京子が言った。
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