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コツンと頭に硬い無機物の当る感触がした。
「いたっ。」
じんわりと広がる痛みにそっと手を添えればその場所だけに熱が篭もり膨らんでいるのが分かる。
「やーい!はんぱ者ーー!」
「お前は出来損ないだってかぁさん達が言ってたぞー!!」
「「はんぱものっ!はんぱものっ!」」
二人の少年が手を叩きながら合唱を始める。
それを背後に石を当てられた少年は自身の頭に生えた柔らかな黄土色の耳を垂れさせて上から手のひらで包み込んだ。
「_____っ、_____っ!」
それでも微かに聞こえてくる少年たちの声に耐え切れず彼は駆け足でその場から離れた。
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