第1章

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「なんだか、おにぎりと柿の木の苗木を交換してもらったって数か月前にツイートしていたぞ」  か弱い蟹を見守っていた蜂は柿の木の事を知っていました。柿の木が成長して大きくなっているのを見て喜ぶ蟹の声が聞こえた日など、引き締まりのない顔で登校していました。ストーカーではありません。偶然家の隣を歩いていただけなのです。 「ストーカーが」 「ちげーよ!」  やはり、違うようです。 「もう大丈夫と言っているが、一応寄ってみるか」  蟹のツイートは、もうそろそろ大丈夫そうだから明日にでも学校に行くよ。という事でした。 「ん?感動して倒れたのに、休む必要あるのか?」  栗の言葉を思い出しつつ、蜂は悩みます。 「どうせ倒れた時に頭でも打ったんじゃねーかな」 「さすがにそんなドジはしないだろ」 「そうなのかなー」 「どうだったかは本人に聞けばいいだろう。行くぞー」 「おー」  帰り支度の済んだ三人は、蟹の家に行くことにしました。  蟹が学校に来なくなった原因かもしれない猿は、怖くてさっさと家に帰りました。
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