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「あのね、朋弥。自分のことばっかって言うけどね。たぶん、普通のことなんだよ?」
「……」
「そんな風に一人で悩んで自分のこと責めなくていい」
「けどっ」
「朋弥だって櫻木と同じだけ苦しんだんじゃないの?」
そんなことないよと言い張る朋弥の言葉を、三度目のキスで封じてから
「恋した奴なんて、そんなもんだって」
わざとからかう口調で言ってやる。
「なッ」
「オレに恋してるんでしょ?」
「~~っ」
「テレなくていーってばv オレなら大歓迎~vvv」
ぎゅっと、とりあえず布団の上から抱き締めた後で、酸欠の魚みたいに口をパクパクさせる朋弥に笑いかけた。
「放課後、オレが送ってってあげるから、とりあえず今はゆっくり寝てなサイ? 顔色、やっぱりまだまだ悪いから」
ウィンク付きで言えば、結構です、と呟く朋弥に、エンリョすんな、と笑って。
なんか間違ったかも、と小さく呟いた朋弥に、そんなことないよと笑ってみせる。
「だってオレは、この宇宙一、朋弥のこと愛してるからねv」
「バッカじゃないの」
返ってきた呆れたようなその言葉は。
だけど、どこか嬉しそうに聞こえた。
僕らの愛は、今から始まる。
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