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食事を終えてお茶を飲みながら和む頃になって、疲れが出たのか眠くなったのか、ほよよん、とした空気を的し始めた朋弥に小さく苦笑する。
「大丈夫?」
「へー?」
「泊まってく?」
「んー……」
真剣に悩むらしい姿に小さく笑ってから、ぽん、と頭を撫でてやった。
「泊まってきなよ」
「でも……」
「明日休みだし」
な? と笑ってから、ぽんぽん、とあやすように撫でて。
「心配しなくても、なんもしないからさ」
戯ける調子で言ってから、風呂溜めてくるなと立ち上がる間際に聞こえたのは。
「……しないんだ」
からかうような、少し残念そうな、そんな声音で。
「…………ともや?」
「何?」
「ぇ……いや……あの……」
オタオタとその場に立ちつくせば、ふふっ、と軽やかに笑われる。
ゆっくりと立ち上がった朋弥が、ゆったりと笑った後で。
しっとりと、唇を重ねられた。
「…………しないんだ?」
固まる自分に、探るように笑う声が掛けられて。
こらえ性のない子供みたいに、押し倒して唇を貪った。
「…………やっぱオレの青春返して」
「んー? なんか言った?」
ご機嫌に笑う相沢を、じとりと見つめながら呟く。
(立てないっつの!)
後先考えないで散々がっつくんだから。
もう、と怒りながら、その嬉しそうな笑顔が愛しくて。
しょうがないな、なんて思う。
「大好きだよ、朋弥」
「…………----当たり前」
今日は痛みを理由に、ずっと一緒にいよう。
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