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あと数歩というところで後ろから先程の雄叫びと、大地を揺らすような足音が聞こえてきた。 身体全体に魔力を流しスピードを上げた。 森に入り三段跳びの要領でジャンプすると、矢じりのついた銃を木の上側に向け射つ。 刺さったのを確認すると、もう一度トリガーを引き、矢じりと銃を繋げているワイヤーを巻き取り上昇していき手頃な枝に移ると銃を消した。 「匂いを辿ってきたか…」 下を見れば獣は、飛び上がった場所を自慢の鼻で嗅ぎ回っていた。 対物ライフルを手にし狙いをつけ撃つ。 初速から音速を遥かに超えた魔力弾にもかかわらず、銃からはストックから伝わる軽い衝撃と、パスッという音が聞こえただけだった。 獣は頭と胴体を裂かれ絶命した。 周囲を見渡して安全を確認し下へ降りる。 「食糧分を少し切り分けておくか」 サバイバルナイフを使い解体していく。 ……昔の俺なら、絶対にできないな。でもこうやって自分の手でする事で、命の尊さを学んでいけるっておっさんも言ってたな……神様の修行ではたくさんの事を教わった。 解体を終えると森を出る。 すると遠くに煙が真っ直ぐ上がっているのが見えた。 「人里ならいいが」 夕日は、煙の方へ歩きながら薬草や食糧を集めていった。
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