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半日程歩くと、山の麓に柵に囲まれた村が見えた。 木に登り双眼鏡で村を見る。 「寂れてるな」 村に活気はなく、村人達も疲れているようだった。 木から降りると村の入口へと向かう。 背中にはここに来るまでに採取したものが入ったリュックが身体の2倍近くになっていた。 いい筋トレだと無属性収納魔法(ルーム)は使わなかった。 近くにいる村人に声をかける。 「こんにちは、ここはどこの村かな?」 話しかけたのは体格のいいおじさんで、手には何故か薪を割る斧が握られていた。 「あんたは旅人かい?ここはアルス国タニア村だ」 「タニア村か……」 神様に見せてもらった地図を思い出す。 ……確か小さな国だったよな。周りを大国に挟まれていた…… 「その荷物は食糧かい?」 「ああ」 その時おじさんの眼がギラついたのを見逃さなかった。 「村に入るには、まずこれに触れてくれ」 細長い透明なガラスのような物が渡される。一分程持っていたが変化はなかったのでおじさんに返した。 「疲れたろ。村の真ん中に井戸があるから疲れを癒したらいい」 「ありがとう。そうするよ」 おじさんから離れしばらくすると広場が見え、井戸があった。 その時、ピーッ!という笛の音が聞こえ、村の家々から農具や斧をかまえた村人が出てきた。 中には少年や少女、小さな子供までいた。 そして気づいた、何故この人達がこんなことをしたのか。
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