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おっさんと説教していた女性がバッと振り向き、気まずそうな顔をした。
「いや、その…あれじゃ…。なんと言うか…つい…慌ててしまって…すまん…」
俺の顔を見て謝っていた。
「…なんかのドッキリ番組とか?」
「違う。わしがお主に迷彩服に着替えようとしていたのを見られてじゃな…ついお主を地球上から消してしまったのじゃ…」
「は?身体はあるし装備品だって…」
「不味いと思ったわしは、急いでここに戻り次元の狭間にいたお主を引っ張り出したんじゃ」
理解できない状況で嘘のような話に頭を悩ませるが、一つ確認しておかなければならない。
「帰れる?」
その言葉に神や彼女達は悲しい顔をした。
「結論を言えば…可能じゃ。しかし先程存在を消したと話したようにお主…【一宮 夕日】の存在を地球上から消した為、お主を知る者からお主という存在の記憶も消された。また、お主が関わってきた過去や物も同じように…」
「…つ、つまり?」
「地球に戻ったとしても全て一から始めなければならんのじゃ…」
「なっ!?」
俺の築いてきたものが一瞬にして消えた?まさか…
「本当にすまないことをした…」
そんな苦悩が待ち受けているにも関わらずなぜ…
「天界のわしが直接地上の者に関わってはいけないのじゃ。しかし、今回わしの不注意で悲しい思いをさせてしまった。そこでお主に別の道も用意した」
「別の道?」
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