#1

5/10
前へ
/155ページ
次へ
おっさんと説教していた女性がバッと振り向き、気まずそうな顔をした。 「いや、その…あれじゃ…。なんと言うか…つい…慌ててしまって…すまん…」 俺の顔を見て謝っていた。 「…なんかのドッキリ番組とか?」 「違う。わしがお主に迷彩服に着替えようとしていたのを見られてじゃな…ついお主を地球上から消してしまったのじゃ…」 「は?身体はあるし装備品だって…」 「不味いと思ったわしは、急いでここに戻り次元の狭間にいたお主を引っ張り出したんじゃ」 理解できない状況で嘘のような話に頭を悩ませるが、一つ確認しておかなければならない。 「帰れる?」 その言葉に神や彼女達は悲しい顔をした。 「結論を言えば…可能じゃ。しかし先程存在を消したと話したようにお主…【一宮 夕日】の存在を地球上から消した為、お主を知る者からお主という存在の記憶も消された。また、お主が関わってきた過去や物も同じように…」 「…つ、つまり?」 「地球に戻ったとしても全て一から始めなければならんのじゃ…」 「なっ!?」 俺の築いてきたものが一瞬にして消えた?まさか… 「本当にすまないことをした…」 そんな苦悩が待ち受けているにも関わらずなぜ… 「天界のわしが直接地上の者に関わってはいけないのじゃ。しかし、今回わしの不注意で悲しい思いをさせてしまった。そこでお主に別の道も用意した」 「別の道?」
/155ページ

最初のコメントを投稿しよう!

202人が本棚に入れています
本棚に追加