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抱き締められて、ホントのホントに驚いたんだけど。
でもなんとなく嬉しかった。
ホントは、もっとずっと前からこうして貰いたかったんだって、そう思った。
心地よくて、落ち着いて。
この場所が好きだって、ホントにそう思って。
だから、背中に腕を回してみたら、驚いた顔した相沢に突き放されて。
ちょっと哀しかったのに、当の相沢が、戸惑ってどうしていいか分かんないって、ちょっと情けない子犬みたいな顔するから、思わず苦笑い。
「嬉しかったんだよ?」
驚いたままの君に、ずっとずっと言いたかった一言を呟いたら、君がまた、抱き締めてくれて。
心地よさにホッとして、今度こそ、ちゃんと抱き締め返した。
大切にしたい時間だと思った。
大事にしたい人だと思った。
この場所を、この時間を、無くしたくないと思った。
「だいすき」
まだ言って貰ってない言葉を、自分から告げて。
照れて真っ赤になってる顔を覗き込まれた後。
「オレも大好きだよ」
満面の笑みを浮かべた君に、同じ言葉を返して貰って。
温かくなった心を抱えて、サボった5時間目を。
オレ達はきっと忘れないだろうと思った。
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