第三章 外乱者

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シルトがにかっと笑う。 「勿論歓迎だ。だが、ヒヨっ子とも知れねぇ奴を戦場に出す訳にはいかねぇ。お前さんには依頼を請け負う前にまず、小手調べに特訓を受けてもらうぞ?」 「望むところです!」 「よし、なら明日の朝から早速始めるぞ。ここの隣の部屋が空いてる。好きに使っていいぞ。」 「……!ありがとうございます、これからお世話になります!」 「おう、よろしくな。」 「一歩前進ね。」 ベッドに横たわるとアスタルテの嬉しそうな声が聞こえた。 「うん。僕は、もっと強くならなきゃ行けない。亡くなった十八人の先輩に笑われないような団員になるんだ。」 これまでに屍人と稀人を倒したが、実際に剣を振るったのはまだ二度だけだ。慢心してはいけない、僕はまだ戦いを知らない弱者だ。 だからこそ―― 「強くなるんだ。」
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