magic of love

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「……何やってんだろ……」  朝の職員会議が始まる5分前。呼び出し音を聞きながら時計と隣の空席とを見比べて、小さく呟いた。  朋弥はまだ来ていない。  元々そこまで早く来る方ではないし、どちらかと言えば遅く来る方だけれど。ここまでギリギリになってまで来ないと言うことは、今までには無かったはずだ。 「……やっぱり繋がらない……」  前の席に座って電話を掛けていた教師の台詞に眉を寄せながら、自分も一向に繋がる気配のない携帯を耳から離す。 「ケータイも繋がらないです」 「……もしかしてまた迷ってる、なんてことは……」 「まさか。もう半年は経ちますよ」  それに着任式の日以来、迷子になった、なんて話は聞いていないし、遅刻もしていない。  どうしたんだろう、なんて職員室中が首を傾げる中で、空席をじっと見つめる。  早く来いよ、なんていう祈りも虚しく、朋弥の席は空席のままで会議が始まって。  会議が終わっても、朋弥の席は空席のままだった。  結局、朋弥と連絡が取れないままに放課後になって。  絶対今日中にするべき仕事だけ片付けて、さっさと車に乗り込む。  今日はこれから朋弥の家に行ってみるつもりだった。  以前に何度か酔った朋弥を送っていったことがあるお陰で、家の場所は解っているし、忘れ物大王をフォローする合い鍵の隠し場所も把握済みだ。 (っとに……何やってんだよ朋弥は)  イライラしながら学校を出て、一番近そうなルートを頭の中に思い描く。  落ち着かない気持ちで運転しながら、黄色信号を突っ切った。
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