magic of love

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「お前はホントに……子供じゃないんだから自己管理くらいちゃんとしろよ」 「……ゴメン、……なさい」 「大体な、朝はマシだったとか言って……ならなんで連絡くらいしてこないんだよっ。心配するだろっ」 「ごめん」  ったく、なんてプリプリ怒りながらも、相沢は台所と寝室を何度も往復しては、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。  この上で、実は着替え終えたら辛くて立てなくなった、なんて言ったら更に怒られるだろうコトは目に見えていたので黙っておくことにした。  変だなぁと思ったのは、3連休初日の土曜の話で、放っといたのが悪かったのか、月曜の夕方頃から熱が出て。今朝になったら、体温計は面白いくらいの温度を教えてくれた。正直、体温計が壊れたとさえ思ったほどだ。  ----それでも。  ホントにもう、ってまだブツブツ言いながらリンゴを剥いてくれる相沢を、布団の中から出した目だけでチラリと窺う。 (逢いたかったんだ)  いつだろう。  相沢のことが好きだって、そう自覚したのは。  だけど、簡単に想いを告げるわけにはいかないと、必死で隠していた。  言ったところで拒絶されるだろうコトは目に見えていたし、最悪の場合、今のこの関係が完全に壊れてしまうかも知れないと、考えただけで苦しくなって。  想いを告げずに苦しい思いを続ける方が、きっとよっぽどマシな「苦しい」だと思って。  想い続けていくことは許して欲しい、なんてワガママを思いながら、相沢に会える毎日を楽しみにしてた。 「はい、りんご」 「…………」 「……何、その半笑い」 「だって、ウサギだし」 「いーから食え」 「……無理」 「なんで」 「食べたくない感じ」 「だめ」  一口でもイイから、なんて無理やり手の上に載せられて、ありがと、とモゴモゴ呟きながら、わざわざ家に来てくれた上に病院にまで連れて行ってくれて、リンゴまで剥いてくれる優しさに、少しだけ泣きそうになってるのは。  風邪ひいて弱ってるせいだって、思いたかった。  *****
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