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「ほらー、早く席着けよお前らー」  うだうだ言いつつも席に着く生徒達に、うんうん、と一人教壇で頷く。  クラス替えがなかったので、クラス内に大きな変化はない。  確かに個性の強いヤツだっているし、ちょっと派手なヤツもいるけど、話してみれば、みんなちゃんとイイ奴らで。  自分も案外に慕われているんだろうと自惚れられるくらいには、うち解けていると思う。 「そう言えば先生、新しい先生が来るんだって?」 「あー、うん。何、ドコで聞いたの? 情報早いね」 「若い女の先生だったらイイのになー、センセv」 「何言ってんだよ」  愛あるからかいに、愛ある笑いを返す時に、そう感じたりするから。  案外に向いてたんだな、なんて胸の内で苦笑してから、とにかく、と騒がしくなった教室を一度静まらせて。 「新しい先生が男か女かなんてどっちでもいいから。この後始業式だから、みんなちゃんと体育館行くんだよ、解った?」  一通りの文句を最後まで聞かずに、ホームルームを終えて教室を出る。 (いっつもアイツらは一言多いんだよなー)  やれやれ、なんて苦笑混じりの溜息を吐いてから、一足先に体育館に向かった。
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