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「ホントにもう、オレのこと何だと思ってんだろ」
ぶつくさ言いながらパソコンを開く朋弥に適当な相づちを打ちつつ、頭の中では全く別のことを考える。
オレは朋弥のこと、一体なんだと思ってんだろ。
イイ同僚? イイ友達?
よく解んねぇよ、なんて心の中で毒づいてから溜息を一つ。
ちらりと隣を窺えば、文句を引っ込めて一生懸命作業してる朋弥が居て。
真っ直ぐな瞳が綺麗で、ギクリとした。
真っ直ぐで、いつも一生懸命で。生徒は勿論、教師や事務員さん、果ては食堂のおばちゃんにまで評判が良い。
そう言う真っ直ぐさは眩しい位なのに、一生懸命すぎて、もどかしくもあった。
頑張りすぎなんじゃないの?
そんな風に言って、とめてやりたくなる。
もうちょっとくらい、力抜いても良いんだよって、優しく抱き締めてやりたくなる。
(----------------はぁ?)
そこまで考えてから、自分で驚いた。
(抱き締めてやりたくなるって、何だよ)
オイオイオイって苦笑いを無理矢理唇に貼り付けた後。
(頭冷やすついでに部活に顔出して来よ)
やれやれ、と頭を振ってから職員室を出た。
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