捜索

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 僕は涼しい顔で車を走行して云話事ベットタウンへと向かった。国道6号線と高速道路を乗り換えていけばいい。その人物は云話事ベットタウンから更に東でA区よりの。云話事イーストタウンにいるという。  そこで、坂本の所在を突き止めて、原田と共にスリー・C・バックアップのデータを奪う。至極簡単だ。金は渡さない。  閑静な住宅街が居並ぶ云話事ベットタウンの国道6号線を走行中。バックミラー(電子式の液晶ミラー)に赤い点滅が出てきた。助手席にいたマルカが急に銃を持ち合図した。  遥か後方から猛スピードで、赤い車が走って来た。 「雷蔵様!! スピードを上げてください!!」  マルカの銃は大型マシンピストル。  ソ連のスチェッキン・マシンピストルだ。  赤い車は僕のランボルギーニの運転手側に追いつくと、窓を開けた。中にはノウハウが二体。一体が撃ってきた。  一体は運転に専念しているようで、もう一体はアサルトライフルを装備していた。 「雷蔵様!!」  マルカは、ランボルギーニの左窓から、上半身をボンネットの上に乗り出しマシンピストルを撃ち放った。  連続する発砲音。マルカのマシンピストルの銃撃と赤い車からの激しい銃撃で、周りの一般車両が巻き込まれた。煙を上げる車や横転する車が現れ、各々の車両が急ブレーキをしたり逃げ出したりと大混乱が起きる。  猛スピードで走り回る赤い車は車体が弾丸でべこべこになって半壊しても、頑丈な作りのようだ。ノウハウはしっかりと体を固定させて撃って来る。アサルトライフルを持つノウハウと運転中のノウハウがマルカの射撃で青い火花がでてきた。  ノウハウの火花と反撃で相手の車が見えにくくなるほどの銃撃戦で、僕のランボルギーニに無数の穴が空いてきた。  僕の車は防弾の特殊仕様でできているが、アサルトライフルの弾丸は何か特別なのだろう。一発の弾が貫通した。  僕は腕を怪我して、止むなく対向車線の車を避けながら道端へと突っこんだ。  停車すると、すぐさまマルカが車から降りると、手榴弾を赤い車の車内目掛けて放り投げた。  赤い車は爆発し、ボロボロの状態でどこかへと走り去って行った。    その後、負傷した僕はマルカによって、応急処置をされ近くの病院へと行った。病院で処置を待っている最中。駆け付けた警察官と裁判官も兼ねるノウハウに幾つか質問された。
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