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藤元は神社なんかでお祓いに使う棒を振って、先頭を歩いて行った。
足元の雪が冷たさを靴に滲ませた。
僕は何だか新鮮な気持ちになった。
まるで、初めて大好きな車に乗った時のようだ。
そういえば、僕は流谷にも酷いことをしたんだった。
コンビニに入ると、店内の明るさに驚いた。雑多な品物が所狭しと立ち並ぶ棚に置かれてあり、流谷ともう一人の男性が店番をしていた。僕の顔を見ると、流谷は一瞬はっとしたが、すぐにニッコリと笑って、
「フライドチキンいかがですかーー!!」
元気良く言ってくれた。
早速ヨハがレジに行って、フライドチキンを買った。マイナンバーカードはA区でも使える。普通A区は現金が必要なのだが、生憎僕たちは持っていなかった。
「雷蔵様~~。一本おまけして下さいました~~」
「あ……ありがとう。その……前は悪かったね」
流谷くんはニッコリ笑って、
「もう忘れました!」
流谷 正章。20代で中肉中背のフリーターだ。
「ハイッ、野菜も取る!!」
藤元がコーン入りのサラダパックを僕の前に突き出した。
ヨハは大喜びでサラダパックを受け取ると、僕の選んだとんかつ定食を持ってまたレジへと向かった。
それぞれ朝食を買うと、藤元の自宅へと戻る。
藤元はチキンカレーを買った。そして、温めてもらってきた。
僕は何故か新鮮な感覚を覚えた。
「ありがとうございます~~。藤元さん~~」
ヨハはスキップをしていた。
食事の後、藤元が番組だと言って出掛けた。
ヨハがしばらくすると、キッチンにある真っ黒いテレビを点けた。
雪の降る中。
「おはようッス。って、まだ誰も起きていないかもッスね。取りあえず勝手にニュース始めるッス。云・話・事・町TV――!!」
美人のアナウンサーは元気だ。
ピンクのマイクを隣の藤元に向ける。
「おはようございます。藤元です。新しい信者。新しい仲間。来世で未来で、きっといいことあるよ。信者熱烈大募集中です!!」
背景にB区の街並みが見える。
「ハイっ!! よろしく!! …………じゃねえよ!! 信者入っただろう!!」
「だって、まだ三人しかいないんだよ……」
「そんなことより、仕事ッス!!」
藤元は首を垂れるが、元気を取り戻し。
「ハイっす!! 今日の天気と運勢は、まずは天気予報から……えーっと……」
藤元は空を見つめて、
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