戦争

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 手にはハンドバズーカを三つとサブマシンガンを携えている。 「ヨハ!! 雷蔵様を病院へ!! 藤元様は怪我人は治せません!!」  遠いアンジェはそう叫ぶと、不可視高速作業をとった。  手にしたハンドバズーカの一つをマルカに投げたのだ。マルカがキャッチすると、ノウハウの集団目掛けて撃ち放つ。  ヨハは僕を持ち上げて、青緑荘の隣の駐車場へと猛スピードで走った。  瞬く間にスカイラインの座席に僕は優しく座らせられる。 「雷蔵様~~。止血剤と痛み止めです~~。お飲みください~~」  僕が激痛の中、ゆっくりとした動作で薬を水なしで飲み込むと、ヨハはニッコリ笑って車を急発進した。  僕は痛み止めのために急に眠くなった。  目を閉じていても河守の笑う顔が浮かんでいた……。    再び目を開けると、云話事・仁田・クリニックの救急外来に着いていた。すぐに集中治療室へとヨハに内臓された体内通信で連絡を受けた救急隊員によって運ばれる。 「大丈夫ですか~~」  ヨハの間延びした甘ったるい声が僕の耳に残った……。  僕はこれからも、死は怖くはない。でも、河守の笑顔がもう見れなくなるのは何故か……怖かった……。 「お! 起きた!! 起きた!!」  原田の声だ。 「雷蔵さーん。朝ですよー」  原田は陽気な声を発している。  どうやら、僕は一命を取り留めたのだろう。  ゆっくりと目を開けると、そこには原田と九尾の狐。そして、生き返った河守がいた。白い病室の中だった。 「ハッピバースデー・トゥユー。ハッピバースデー・トゥユー」  九尾の狐が歌っている。 「ハッピバースデー・トゥユー。ハッピバースデー・トゥユー」  河守が歌っている。 「ハッピバースデー。雷蔵さん」  原田が手に持っていた赤いロウソクがたったケーキを差し出した。 「…………」  僕の体は少しも動かなかった。  誕生日なんて、誰にも祝ってもらった時がない。それに、確か僕の誕生日は2月のはずだった。  あれ? 「そうか……これは……夢か……」 「雷蔵様~~。大丈夫ですか~~」  ヨハの声が聞こえる。  僕は夢から覚めた。  辺りを見回すと、ヨハ以外に誰もいない真っ白い病室だった。外は豪雨と強風が激しく窓を叩いていた。
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