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「酷かったんですよ~~。4日間もお眠りしていて~~左足と左腕と右足~~。そして~、お腹に計6発も撃たれて医師も真っ青で~した」
「僕は起きているのかな?」
僕はまだ夢を見ているのだろうか?
ヨハに確認すると、ヨハは首を傾げて、
「はい、ここは現実ですよ~~」
「みんなは?」
すると、ヨハの可愛らしい顔が曇った。
「酷かったです~。みんな死んでしまいました~。ノウハウは~全てアンジェとマルカが破壊しましたが~~、被害が大きかったので~……」
「え?……藤元は?」
ヨハが俯いた。
「藤元様は今現在~行方不明で~す……」
僕の頭に再び真っ赤に燃える金属棒が突き刺さる。
「ヨハ! アンジェとマルカを呼んでくれ!! 俺一人でC区と戦争してやる!!」
僕はなりふり構わずに叫んでしまっていた。
この感情は一体何なのかと、僕は考えることもしなかった。
「了解で~~す!!」
白の壁にあるテレビでは云話事町TVがやっていた。
「おはようッス!! 云・話・事・町TV―――!!」
美人のアナウンサーの背景にはボロボロになったA区の青緑荘と周辺が見える。所々煙が立ち上り、ブルーシートが至る所に被さっている。
周囲の人たちは誰もいなかった。
「見てください!! この惨状!! 惨劇! 藤本不在でみんな死んだままッス!!」
美人のアナウンサーはピンクのマイクを力強く握る。
「相手が誰だか解らない!! 全部のノウハウの頭のプロフィールデータが壊れてる!! 製造元も不明!!」
美人のアナウンサーは吠え続ける。
「誰だか知らねーが、クソは出てきやがれ―!! って、あ! しまった! 生放送だった!! 生放送で言ってしまった……」
美人のアナウンサーは気を落ち着かせると、
「そういえば、生放送でしたね………皆さん! 忘れましょう!」
美人のアナウンサーが落ち着いて話し出した。
「やったのは、C区のはずです。うちの藤元がいなくなる直前に言ってたので……」
美人のアナウンサーはピンクのマイクを握ると、一つ咳払いをした。
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