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殺風景な地下3階の駐車場にはノウハウの残骸とほとんどの廃車だけが残った。
超重量の弾丸が社内を破壊する。
グレネードランチャーやアサルトライフルで、ガラスが割れるどころか会社の壁や柱を粉砕し、内部が黒炎を噴き出した。今の時間までいる社員は、受付の人たちしかいないが、マカロフの銃弾で床に沈んでいった。警備会社のハンドガンを手にしたノウハウがわらわらと玄関先に集まってきていた。マカロフではノウハウは倒せない。
ヨハがアサルトライフルを撃った。
ノウハウたちが撃ってきた。
アンジェたちが被弾をしているが、アサルトライフルの弾はノウハウの体を貫通する。45口径のライフル弾だ。ノウハウが倒れていくと、僕は未だ頭に刺さっている熱せられた金属棒のためエレベーターへと向かった。
エレベーター内。
少し眩暈がしてきたが、僕は目を力を入れて開けていた。
河守が入社した時のことを思い出していた。
面接で僕も立ち会い。
質問を幾つかしていても、すぐに納得する回答が次から次にでてきて、人事部長も真っ青になって驚いていた。IQが140もあると言っていた。僕は凄いと思ったが、人事部長は頭が良すぎる人物を密かに嫌っていた。だから、僕がなんとか説得をしていると、そんな中、河守が僕を見て笑っていた。
河守が入社してからは、彼女が笑わない日があまりないなと、思っていると、次第に僕が標的となっていった。
彼女は何故、僕にそんなことをしているのかと、周りの人々に聞いた時があった。やっぱり出世欲があったからでは。と、周囲の重役たちに言われた。あの時の僕の戸惑いは、一体なんだったのだろう?でも、僕は晴美さんのことを考えて、日々を過ごしていたんだ。
「雷蔵様~~。もうやめましょうよ~~」
隣のヨハが心配顔をしていた。
「敵は~~今のところ~霧島インダストリー社の興田 守様だけでは~~ないですか~~。そんなにボロボロになってまで~関係ない人を~~殺さなくても~~……」
「……ヨハ……?」
僕は驚いた。
そういえば、ヨハには感情のような心のようなものが、どことなくあるみたいだ。
「ヨハ……君は一体?」
高速エレベーターが180階で止まった。
「雷蔵様!!」
突然、大きな音の後、アンジェが先に倒れた。
その次はヨハとマルカ。
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